アザレのシカク

カテゴリが多すぎる兼業主婦アザさんの視覚?死角?□?な日記

床屋が共産主義風にしてきた夫の髪型を更生させる

ママンは激怒した。まいど、二児の母です。

 

夫と息子は近所の、地域に馴染んだ「ヘアーサロンないとう(仮)」という床屋に長年通ってきた。行きつけだから店のおじさんも顔を知ってくださっているし、コロコロコミックを読みながら待てるというのがお気に入りだった模様。

思えば、数週間前に息子だけがカットに出向いて帰ってきたときにその兆候はあった。「あれっ?」と思ったが、「昔ふうのスポーツ刈りか、」と自分をやや強引に納得させて、そのうち息子は息子で毎朝さほどキッチリしてない髪型に戻っていったので、違和感も薄れていった。その矢先の出来事であった。

 

おととい「ちょっと伸びたよね、ないとう行ってくるわ」と言って、帰ってきた夫の髪型をみたわたくし、冒頭へ戻る。

 

なにしてくれとんねん、ないとう。

速攻、呼び捨てであった。

 

危険すぎるので極力控えた書き方にしたいのだが・・・某国では最も偉い男性だけが許されるヘアスタイルがあるのではないかとこの頃思っていて、夫のヘアはまさにソッチ系に持っていかれていた。調べてみるに、最近のメッシがかなりそれと近かった。

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パパヌンティウスよ、「メッシみたいにしてください」と言ったのならまだ分かる。一体いつから君は、にわかサッカーファンを超えたのだい。

万が一そうであったとしても、メッシはヘアセットしてトップをクイッと立てているではないか。お前という者は、なんもされないで帰ってきているから、細面の顔が引き立ってこっちの人まで彷彿とさせているではないか。

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ちょっとここ(椅子)座ってみて。と言い、思いっきり刈り上げられたサイドの上にしっかりと「乗っかった」感じになった、夫のヘアトップをかきあげ観察した。伸びっぱなしだったこの部分に漉(す)きといった工夫は施されておらず、まさにビフォーのまま「乗っかって」いて、その妙なかわいさがわたしの怒りに拍車をかけた。

こんなことは今までになく、まぁ普通の短いおじさん風カット、ぐらいで済んでいたのだが・・・。

極限まで刈られたサイドを眺めながら、昼間通りがかるたびに店先で居眠りをしているないとう氏の情景を思い出していた。まどろみのうちに彼の中の何かがいつの間にかひなびてかすれ、消えていったことに(失礼)。

 

わたしがときどきお世話になってた美容院がすぐ近くにあるから、そこ行って直してもらうといいよと提案をした。夫は服装や髪型をはじめファッションというものに気を配ったことがなく、自由で男だらけだった学生時代を色々な意味で引きずっているので「美容師へどうお願いしたらいいかわからない」と言い張ったし、そういうこじゃれたことについてヨシ調べよう、という考えも持ち合わせていなかった。

しかしこのままでは、彼が視界に入るたびにわたしは、そういう彼の性質およびないとう氏に対して、怒りや残念感ひいては憎しみを抱いてしまう。日々そういうメンタルで過ごすことは子どもたちも含めた家族それぞれに暗い影を落とすことが目に見えていたので、「わたしがお金を出すし、指示書も渡すから美容院へ行って」と懇願した。

強引にその翌日に行けるよう美容院の予約をとり、美容師へ渡す指示書を夜半のうちに作成した。下書きまでして、分かりやすく必要最低限のことを盛り込んだ。

 

【指示書の内容】

①今のヘアカットの困り点について、説明

高いデザイン性は無しで、サイドとトップがくっきり分かれた状況。トップが長く、分け目がある。本人も分け目が出るのが気になっているが、どうスタイリングして良いか分からない。スタイリング経験もなし。

 

②修正してほしい方向性

トップのボリュームを削ぎサイドと馴染むよう調整を。トップは分け目が出ないくらい短くても良い。オシャレな短髪を目指していただきたい。

 

③本人のファッションやライフスタイル

自由度の高いビジネスカジュアルなのでシャープなイメージ。ジョギングが趣味で暑がりなのでスポーティな方向性も良し。

 

夫は余計な出費を避ける人間ということもあり、完成させた指示書に目を通しても不満顔であった。何も文句を言わないまま不満顔が続くときの彼からはとても離れたくなるが、今回だけはお願いを通さなければ。

「最後に、 "ほぼこういう流れでお願いしたいのですが、本人と話し合いながら進めてください" と書いてあったって、俺からは話し合うことなんて無い」とまで言われ、この野郎どこまで保守的なんだと噛み付きそうになったけれど、自分のミッションを通すためとにかく冷静に、しかし彼のヘアスタイルからつい目を逸らしてしまいつつ、懇願した。

「話し合う、といっても流れとしては、美容師さんから指示書を元にモデル写真などを提示されて、こういう感じのヘアスタイルにしていいですかというご提案が来るから、それについてGOサインを出してもらえればそれで良いです。とにかくお願いします」

 

帰ってきた夫はメッシを超えていた。ちょっとベッカムかと思った(表現が古い)。何より、笑顔だった。

「君の作った指示書、美容師さんすごく褒めてた。あの指示書は、俺のカルテと共に美容院に保管されることになった」

 

うるせえ。笑

しかし、ヘアスタイルによって夫をみる目はだいぶ違う。きちんとしているとやはり嬉しいものだ。

 

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どちらの妻と一緒に暮らしたいかという観点からだって、一目瞭然だろう。

がんばって本当によかったな、救われた。それしか言えない。

 

人は見た目が9割なんて本もあったけど、やりすぎない程度に見た目に気を配っている人は健全であると思うし、「やりすぎなさ」はセンスとしてレベルが高い。

ヘアスタイルをはじめとするファッションについては、長らく学術的スキルを高めてきた方々ほど軽視するケースがあるが、頭から馬鹿にせず、何事にも好奇心を持って精進していただければと願うばかりです。

 そういえば夫に美容院代渡すの忘れた。

お題「最近涙したこと」