アザレのシカク

カテゴリが多すぎる兼業主婦アザさんの視覚?死角?□?な日記

あいすまんじゅうは何故「和風アイス」ではなく「冷たい和菓子」と呼べるのか

トルストイの児童文学集「ひとは何故生きるか」が好きで、タイトルもそれっぽくしているかも二児の母です。

トルストイはさておき、去年読んだ中で最も血沸き肉躍った本が「変革のアイスクリーム」(※)で、こちらにて熱く紹介されていた九州名産「あいすまんじゅう」が、遂に近所のコンビニで手に入りました。

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本では、とことん他アイスとの差別化をはかられて作られ、かつロングセラーでもあるあいすまんじゅうの優秀さが語られております。

ただし視点の核はあくまでマーケティングであり、主に語られているのは企業としての姿勢やこだわり。製品自体の風味や食感については「こだわりポイント」として書かれてはいますが、エモーショナルに叙述しているわけではありません。

ハーゲンダッツですら黒蜜や抹茶に手ぇ出して「和風アイス」がもてはやされている昨今、あいすまんじゅうが何故にここまで「和風アイス」ではなく「冷たい和菓子」と名乗っているのか、本を読んでもなかなか腑に落ちないところでした。

よって、ここからは自分の食べた実感を綴ってゆきます。

 

作りこまれた造形

袋をあけて最初に印象的なのが、やはりその造形。一般的な棒アイスに比べて、太く短い「ずんぐり体型」です。これに関しては完全に「計算されたもの」であると例の本には詳しく、上から見た梅の形などもこだわりポイントなのですが、棒を持ったときに

とにかく重てぇ。

このずっしり感で、「たっぷり食べられるぞ!」という期待がいやおうなく膨らんでしまうスィステムとなっております。

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指との対比。アイス部分が、とにかく短くて太い。

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そしてよ~く見ると透けていますが、あんこがあるのは真ん中あたりまで、のみ!
アイスオンリー部分の率がけっこう高い。これがじわじわと効いてくる点は後述します。

和菓子的な食感

思わず食べてしまってから、ちょっとスプーンできれいになるように削った断面図です。汚く見えるかどうかは、見る人の心次第かと思います。

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感動したのは、アイスとあんこが一体化された食感
断面図を見るにアイス部分は、例えるならば「ラクトアイス」系のように見え、霜柱のように縦に割れる構造となっています(実際の商品はラクトアイスではなくアイスクリームという分類です)。

こういうものだとたいがいは噛みしめたときにシャキッと、あるいはガリガリ君のようにもうちょっと氷のように固い食感を伴うものですが、あいすまんじゅうアイスはあんこのようにむにゅっと、ひたすら優しく噛みしめられる絶妙な食感となっています!
こりゃ、知覚過敏のワスにも安心じゃぁ~~。

で、この一体感こそが妙に、アイスであることを感じさせない要因であると思いました。総体としては「ひんやりしていて食べやすいあんこ」。ミルク味アイスのお蔭であんこの甘さのカドが取れており、つらくない。アイスを食べていてこんな感覚、初めて(/////)

うむ、やはりこれはアイスというよりは「あんこ味のなにか」なのである。

 

また、あんこは和菓子の最中(もなか)によく入っているようなものが再現されています。ねっとりとした粘り系のあんに、小豆の粒入り。あまり昔ながらの和菓子を食べなくなった身には、子ども時代にばあちゃんが分けてくれたやつ(まさに最中)を思い出して懐かしいです。

また、周りのアイスがちっとも溶けていないのに「北海道産小豆を贅沢使用」の粒々がギンギンに凍って固いということもなく、あんやアイスと同等な柔らかさを保っているのが、地味にすごいバランスなのだと思います。

ほどよい量感

和菓子あるあるですけど、あんこって最初は甘味ガツンでハッピーでも、重たくて飽きやすい。最後の頃は茶ぁばっかり飲んで流し込む。あんこばっかり食べてもいられんのですよ。

で、あんことアイスの一体感を楽しめる程度で、ちょうどあんこのある部分が終わります。

意外と多いアイスオンリーの部分を進めてあいすまんじゅうは食べ終わるのですが、アイスを噛みしめながら「あんこが終わってしまった・・・あんこは良かったな」という寂しさや懐古を感じつつ、しかしアイス部分のミルキーさや不思議なやわらか食感にここで気づいてニュー舌鼓を打つ。

あんこからアイスへのバトンタッチ。センチメンタルとともに美しい終焉を迎えつつ、棒だけが残る。ああ、なんという華麗な幕引き・・・!!!!!!!

 

というわけで非常に気に入りました。

あいすまんじゅう、お近くで見つけましたら是非お試しください。もちろん、温かい日本茶との相性は抜群です。

 

※参考文献

変革のアイスクリーム---「V字回復」を生んだ13社のブランドストーリーに学ぶ

変革のアイスクリーム---「V字回復」を生んだ13社のブランドストーリーに学ぶ